トップメッセージ

不確実性な時代だからこそ創業の原点に立ち返り、100年企業に向け、夢ある企業への創造にチャレンジします。 代表取締役社長 田中 尚一郎

危機をふり払い、常にチャレンジャーでありたい

“印刷業界は危機か?”

この響きに私は、大きな危機感とチャレンジャーとして胸の高鳴りの両面を感じています。
世の中のトレンドラインは、ペーパーレスの方向に傾いていることは事実として認識していますし、業界全体に漂う大きな危機でもあります。それだけでなく今や、我々の業界だけでなく、あらゆる業界が危機的状況に立たされているといえるでしょう。そこに新型コロナウイルス感染症拡大の影響が加わり、社会全体のペーパーレス化はより拍車がかかっていると感じています。

一方で、私はこの危機感の中、チャレンジャーとしての意志をより固めた時期にもなりました。
失うものはないといっては言い過ぎですが、あらゆる面においてこれまでのセオリーが通じなくなった今、強い情熱の下で経営を推進することこそが、印刷業のみに留まらない当社の価値を高められる多くの可能性を強く認識しています。

私は関連会社であるサンメッセタイランドの立ち上げを行い、2013年から2015年まで現地法人社長として駐在させていただきました。本体の役員も担いながらの舵取りでしたので容易ではなかったものの、高い目標を掲げ、それを達成することで自身の成長にも繋がったと自負していますし、後進にも道を譲らせていただきました。

仕事を通じて人として成長できることは幸せなことだと思います。経営も同様で、ゴールを決め、その戦略・戦術を明確にして、それが色彩を帯びるほどになれば成功に向けた確率は高まります。

だからこそ、今期、特に成長事業の中でIPS事業とパッケージ事業を、より成長軌道にのせるため大規模な設備投資の判断に踏み切りました。執行役員会ならびに取締役会では、今この厳しいタイミングで大丈夫なのか?という意見も多々出る中、慎重に議論を行いましたが、必ずこの事業をより成功させることをお約束します。

私は、リスクを恐れず常にチャレンジャーでありたい。この危機を乗り越えるための基本戦略を、「守る」「攻める」「挑戦する」の言葉に置き換え、それぞれの課題に具体的なチャレンジとしてお応えしてまいります。

事業領域の拡大と営業エリアの拡大が寄与。
前期、過去最高の売上を達成

前第75期の業績は、売上高161億94百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益1億70百万円(前年同期比36.5%増)、経常利益2億97百万円(前年同期比19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1億83百万円(前年同期比5.8%増)となり、前年同期比において増収増益という結果になりました。

印刷市場全体の需要減や価格競争の激化など、印刷単価の下落傾向は続いておりますが、個人情報を扱うダイレクトメールや圧着ハガキ、パッケージなどの受注増を背景に、サンメッセ単体だけでなくサンメッセグループの連結決算としても過去最高の売上を達成することができたことは、社員の自信にも繋がったと考えます。

この戦略として、一昨年に掲げた「事業領域の拡大」と「営業エリアの拡大」の取り組みに、「守る」「攻める」「挑戦する」の3つの基本経営戦略を加え、攻めの姿勢を全面に押し出した経営推進を行いました。その中、特に売上を牽引したのは一昨年新設の新宿支店と、昨年4月に本格稼働させたIPS・パッケージ本部であり、私が社長就任直後に取り組んできた成果が、少しずつではありますが実ってきたことを示しています。

ただし本年に入り、新型コロナウイルス感染症の拡大によって「世界は一変した」といっても過言ではないでしょう。社員の皆さんも、大きな変化に戸惑うことや不安に思うことも多々あると思いますが、私はあまりネガティブ思考に陥らないように気をつけています。

何よりこうした変化時は、大きなチャンスでもあります。これまで当社の発展を支えていただいた先人たちも、様々な社会変化に柔軟に対応し、数多のイノベーションを起こしてきたことで今の当社があります。しかしながら謙虚に考えますと、まだまだ私たちは先人たちにお喜びいただけるような成果を示せていないと考えています。

新型コロナウイルス感染症拡大によって、今期の決算はやや落ち込むことを想定しておりますが、今一度、社員一丸となって、より強いサンメッセグループの総力を進化させることで、売上・利益の確実な成長に繋げていくことを誓います。

2017~2019年度 主要経営指標推移

売上高
売上(単体)
売上(連結)
15336百万円
16194百万円
営業利益
営業利益(単体)
営業利益(連結)
19百万円
170百万円

※2020年度の業績予想は、新型コロナウイルスの影響により、今後の動向等が極めて不透明であることから、現時点では未定となっております。

利益の源泉は、製造部門の変革にあり

新型コロナウイルス感染症の影響による全体的な需要の減退、さらにはお客さまへの訪問自粛による機会損失などもあって、その影響がいつまで続くのか未だ不透明な状況下にあります。当社も当初その影響を受けておりますものの、それらは現在概ね改善されてきておりますが、一方で新たに取り組むべき課題も見つかっています。

その一つとして、利益の源泉は製造部門であることを今一度再認識しています。多くの業務経験を通じて仕事の流れを可視化し、製造部門の多能工化の推進を図ることで、より柔軟な対応で働ける人財を増やすことと、より積極的な利益創出を意識した取り組みに繋げねばなりません。

印刷業務は時代の変遷と共に、価格競争の激化により、我々が考える利益創出が非常に困難な業種となりました。お客さまの求める高い品質要求にお応えすることはもちろんですが、その中で時間や工数管理などを徹底することで工程業務をマネジメントし、ムダな作業をより削減することは十分可能です。

さらには、常に同じ製品を製造することでなく、お客さまからのご要望に応じこれまでも非常に多くの製品をこの世に送り出してきました。そのほとんどがカスタマイズといってよいほど、効率化の実現が難しい業務ですし、“紙にインクを刷る”という単純に見えて難しい作業には、多くの経験とノウハウを要します。

この匠の技といっても過言でない業務を遂行している自負心をもってもらい、お客さまに製品をお届けするため利益を創出する工夫を行うことで、当社もより高い価値を創出することに注力していきたく考えています。

製造業の醍醐味は、製造部門にあり。ここで“稼ぐ力”をつけることで、お客さまへの価値をより高めてご提供することで、現場で働く社員の皆さんには、お客さまの課題を解決し社会に貢献しているという自負心をより強くもって欲しく考えています。

不確実な時代だからこそ、当社の存在意義を自ら問う

当社は多業界・多業種のお客さまとお取り引きさせていただいておりますが、コロナ禍によって多くのお客さまがたいへん厳しい状況を迎えられています。この中において、自治体の景気対策関連の特需や抗菌対策としてオリジナルマスクケースのご提案など、新たな需要の獲得にも柔軟に対応し、おかげさまで高いご評価もいただいております。

社員には「どうしたらお客さまの課題を解決できるか」ということを常に考えて行動しようと伝えています。当社の経営理念の一節に“常にお客さまを第一に考え”という言葉がありますが、当社の存在がお客さまにとっていかに必要であるか、ということを大義としています。ニューノーマルといわれる新しい社会の変化を踏まえ、より大胆な発想力で、自らの存在意義を問いながら、提供する価値をさらに高めてほしいと思います。

この一例として、サンメッセSolution Webinar「GALLEY+オンライン」を実施しています。お客さま訪問自粛の中、当社が印刷業務のみに偏らぬ幅広いソリューションを認識いただく場をご提供することで、より多くのお客さまにお役立ていただければ幸いです。

サンメッセSolution Webinar
「GALLEY+オンライン」

これからの時代、当社も大きく変化を遂げていかねばなりません。当社は製造業ですが、私は「当社は、情報加工業である」と伝えています。単なる印刷会社ではなく、コミュニケーションの価値を高める広い領域のビジネスとして認識を強めることで、当社の存在意義はまだまだ多くの可能性を秘めていると考えます。

具体的な事業戦略については、私が大きな信頼と期待を寄せるキーパーソンたちに後述する頁にてそれぞれ語っていただきます。今期は部長職をはじめ役員構成に大きな変化を伴い、これまで以上に取締役会での意思決定や執行業務を担う執行役員メンバーでの議案内容や意思決定のスピードも問うていくことで、コーポレートガバナンス側面での透明性ある経営にもより一層努めてまいります。

新・中長期経営ビジョン Innovation for 100th anniversary
夢ある企業への創造にチャレンジ

昨年、当社は新・中長期経営ビジョンを策定しました。5年後の2025年に創業90周年、15年後の2035年に創業100周年を迎えます。社員の皆さんが当社だけでなく自身の未来に対して希望が持てて、何よりサンメッセで働くことに喜びを感じてもらうために新しい経営ビジョンが必要不可欠でした。

この不確実性の時代において、2035年に100周年を迎える際に、どういう企業でありたいか?
ビジョン実現のために“臆せず挑戦すること”と“勇気をもって変える意志”が必要でさらには“スピード感をもって取り組む”ことが何よりも大切と考え、当面のゴールを2035年の100周年に据え、この時のありたい姿を模索しながら足元を固めています。

そうした中、まずは2025年の90周年に向かう直近5年間において「Challenge for Change 2025~変革への挑戦~」のスローガンの下、限られた時間の中で「創造」・「挑戦」・「変革」を起こし、人財育成にも注力しながら次世代にバトンを繋ぐことが私の仕事と考えています。

厳しい時こそ、攻めの姿勢をもつことも必要です。特に今期は事業領域の拡大のため成長戦略を図る上で欠かせぬIPS事業とパッケージ事業ならびにBPO事業に対して、本社第五工場増築の設備投資を決定しました。先行き不透明な状況の中において大きな設備投資を見送ることも協議しましたが、コアである商業印刷事業の売上・利益がますます厳しい環境下にあるためこうした決断も要します。

事業領域拡大のイメージ

目指す事業ポートフォリオイメージ

同時に、来期にはこれまでの課題であった事業ポートフォリオ改革を行わねばなりません。当社の事業ポートフォリオは単に商業印刷をほぼ大半として括っていることで、成長事業が伸びているのか、否かの判断が出来ないことも課題でした。
これを可視化することで、引き続き営業エリアの拡大と事業領域の拡大を謳い、「守る」「攻める」「挑戦する」の基本戦略の下、然るべき経営判断も行い、伸ばすべき事業には積極的な投資と人財を投じて自社変革・自社改革に取り組んでまいります。

SDGsを起点に、創業の原点に立ち返る

2019年5月に岐阜県の上場企業としては初となるSDGs宣言を行いました。新しいことをいち早く手がけたということだけでなく、創業から地域貢献の側面で非常に多くのご縁をいただいてきた当社にとってSDGs思考を採り入れることに抵抗感は全くなく、むしろ率先して取り組まねばならないと考えました。

何よりSDGsの考え方を参考にこれまで通りの取り組みだけでなく、自ら変革を推進せねばなりません。その中で、2020年9月に朝日大学(岐阜県瑞穂市)とSDGs連携と協力に関する包括協定を締結しました。そして、これに留まることなく、さらには我々の地元である岐阜県をはじめとした自治体や企業、学校、団体とも、SDGsをキーワードにさまざまな形での産官学連携を積極的に進めているところです。

また、当社は予てより環境への持続的取り組みに積極的推進を図ってまいりました。経営理念における「革新・法令順守・環境」を3つの経営の柱とし社会に貢献することを掲げ、ESGとして特定した4つの重要課題の一つに、「ハリヨが棲める環境への持続的取り組み」を選定し、環境負荷低減の取り組みを推進しています。
TCFDの提言に賛同を行ったことも同様で、気候変動が持続的成長へ影響を及ぼすことを認識し、事業にもたらすリスクと機会のシナリオを分析することで積極的な情報開示とともに企業価値向上に努めています。

朝日大学との連携協定式

社長塾発足を機に、サンメッセフィロソフィー策定。
100年企業を目指し、多様性の尊重で人財を愛する

2035年の100周年において、持続的成長を遂げ社会に必要とされる企業であるために共に考え、その時にリーダーとなる人財育成と人財発掘のため、2019年度、これからの当社の未来を考える「社長塾」を発足しました。
その中において今一度、社是、経営理念をかみしめるように創業の原点に立ち返った際、経営理念を根底におきながら、日々の活動を推進する上で心の拠り所が必要と感じたのです。

社長塾のメンバー全員で、自発的に行動し各々の考えを持ち寄り、各々が中心となって自らの経験や想いをもとに「サンメッセフィロソフィー」を創り出してくれました。この中では「経営の心」という私の思いが強く込められた8つの言葉を筆頭にしていますが、それ以外、私は多くを語らず、そこから続く大半の内容を社長塾メンバーが社員に向けた言葉として発してくれたことは誇りになったと思います。

「サンメッセフィロソフィー」は、社員皆が同じ方向に、同じ思いで仕事ができるように、そして創業100周年を迎えた後でも、社会に必要とされる企業となるために必要な共有すべき考え方や行動を言葉にして表現したものです。このフィロソフィーを信じ、実践することで自らも磨き、当社の社員であることに自信と誇りをもっていただきたいと思います。社員一人ひとりの心に浸透していくことで、会社を動かす大きな原動力になっていくことを期待しています。

Sun Messe Book/社長塾

私は人財育成には特に注力してまいります。当社は、パートの方々も含めると実に約1,100名の社員皆さんが当社の屋台骨を支えてくれています。時には生産工程において、製造ラインの上長よりもパートの方々の方が業務遂行力に長けており、正社員でも驚くほどのパフォーマンスを上げてくれていますし、製造業でありながら女性社員も非常に多く働いていただいています。まだまだこのダイバーシティを活かしきれていない課題認識があることも事実です。

何よりも単に女性活躍推進とか、女性の管理職登用ということだけでなく、多様性ある考え方、多様性ある働き方を尊重し、環境変化に適応することで新しい考え方をビジネスに直結させることも重要な視点です。ここに関してはまだまだ経営が本気で取り組めていない点でもあることを反省し、今後より一層、人財を愛し、人財を大切に育てていくことこそ経営課題として、これらを積極的に改善させることで風通しのよい会社にしていきたく考えます。

これにより今後より一層、年功序列に関係なく多様性ある考え方や行動を重んじて優秀な人財に将来のサンメッセを託す想いで責任の権限委譲も行い、私自身がサンメッセの未来の夢を社員皆さんと共に考え、それに共感し、社員皆さんの力で「ありたい姿」への実現に導いてくれることを心から願っています。

100年企業になるためのハードルはまだいくつもあります。そして社会から必要といれわる企業でなくてはなりません。創業者からの想いを受け継ぎ、時代の変化に立ち向かうチャレンジャースピリッツを絶やさず、どんな苦境も乗り越えていくことで“夢ある企業への創造にチャレンジ”します。