財務・企業情報外部専門家意見

サンメッセレポート2020を読んで

ロイドレジスタージャパン株式会社 代表取締役 冨田 秀実 氏
ロイドレジスタージャパン株式会社
代表取締役
冨田 秀実

サンメッセ株式会社はJASDAQ上場企業としていち早く統合報告書の作成に取り組み、すでに本報告書で8度目の発行となりました。このSun Messe REPORT 2020は、昨年同様、社長メッセージの「印刷業界は危機か?」という問題提起に始まり、印刷業界や新型コロナを含めた、サンメッセを取り巻く環境変化に対応する事業戦略の記載は、例年以上によく整理されているように感じます。
本年の報告書では新たに打ち出された「守る」「攻める」「挑戦する」という3つの基本経営戦略を軸とし、その基盤となるサンメッセフィロソフィーの導入など、新たな経営層の目指す方向性が明確になってきたことは、サンメッセの今後の成長に期待が持てる内容となっています。また、ガバナンスの記載においてもスキルマトリックスの掲載など、サンメッセを理解するために必要な情報を盛り込みつつ、リーダーたちのイラストを掲載するなど、経営陣のパーソナルな印象を交え、読み物として楽しめる工夫も施されて報告書の魅力を高めているように感じられます。
新・中長期経営ビジョンで、目指す姿は明確になり、目指す事業ポートフォリオイメージなど方向性に関しては、一定の納得感はあるものの、それらが具体的な数値で示されていないのは、サンメッセが本当に印刷業界の危機を乗り越えて行けるのかという命題に対する説得力という点では、まだ課題が残ります。昨年も指摘しましたが、財務レビューでも、セグメント別の情報がイベント事業に限られているのは、報告書の主な読者である投資家に対する情報としては十分とは言えないと思われます。どの程度「守れているのか」「攻めているのか」についての目標と結果の数値を示すことで、真のアカウンタビリティが達成されるのではないでしょうか。
また、サンメッセの強みとして様々な設備などが示されていますが、これらの強みを生かしたサービスにおいて、他社と比較してどのような優位性があるのかをより明確に表現できると、説得力が向上すると思われます。

日本においては大企業のみならず、中堅企業にも統合報告が急速な広がりを見せています。サンメッセは中堅企業としていち早く統合報告に取り組んでいますが、それらの模範となると同時に、サンメッセ総合研究所のビジネスチャンスとして、SDGs等の分野で大きなトレンドを作り出す役割にも期待したいと思います。

外部専門家意見をいただいて

専務執行役員 経営企画室長兼営業副本部長 兼ソリューション統括部長 サンメッセ総合研究所(Sinc)代表 田中 信康
専務執行役員
経営企画室長兼営業副本部長
兼ソリューション統括部長
サンメッセ総合研究所(Sinc)
代表
田中 信康

冨田様には、統合報告書発行当初より経年変化を見守りくださり、ストレートかつ多くのご示唆に富む貴重なご意見を賜りますことに、心より御礼申し上げます。
当社の代表取締役社長交代から3年目を迎え、直近、当社社長の思いや戦略にフォーカスし様々な観点から、インナーブランディングと社内浸透の強化に努めております。
Withコロナの渦中に加え、社会全体がサステナブル志向に共感を強める中において、ペーパーレス化はより拍車がかかっていることを実感していますし、“印刷業界の社会における存在意義”を自問自答する契機として捉えています。
本年は当社社長自らの課題認識から自社の経営哲学を創るべく、社長塾有志メンバーを中心に議論を交わし産声を上げた「サンメッセフィロソフィー」は、哲学というよりも、当社の燃える心とチャレンジャーとしてのスピリッツを表現したことで、全社員に多くの共感を得られたことはこの先の十数年において、会社がどうあるべきかを問うための代え難い財産となりました。
毎年ご指摘をいただいている事業ポートフォリオ変革には、残念ながらまだ開示に踏み切れておりませんが、課題をより鮮明に出来たことで経営課題の重要な位置づけとして捉えております。
これまでのセオリーが通じなくなった今を危機感として認識し、変化せざるを得ぬ環境下において、今の当社の位置づけを様々なアイディアを出し激論する“未来投資の強化合宿”の時期と捉えています。
その中SDGsの経営への実装は、universalであることが多くの経営推進のヒントとこれまでにないエンゲージメントを産み、イノベーションを起こせることが非常に有効です。岐阜県発で“どえらい出逢い”を創り、“当社のありたい姿”と、社会的課題に本業を通じた解決を行い“なくてはならない企業”へと存在感を強め、次世代へ、そして未来へのバトンを『つなげて』いくことを意識してまいります。